「レビー小体型認知症とアルツハイマー病との違い」について

認知症というと「アルツハイマー病」を思い浮かべますが、実は「レビー小体型認知症」という病気が、認知症の1～2割を占めています。男性に多く、寝ている最中に大きな声で寝言をいったり、幻視、幻覚が現れたりするのが特徴です。どのような病気なのか、認知症に詳しい杉並区下井草の内科・脳神経内科・糖尿病科/天沼きたがわ内科院長・北川尚之先生に「レビー小体型認知症とアルツハイマー病との違い」についてお話を伺いました。

アルツハイマー病との違い

「認知症＝もの忘れ」というイメージがありますが、アルツハイマー病と違いレビー小体型認知症の場合は、物忘れはあまり目立たないことも多く、主な症状としては「幻視、幻覚が見える」「寝言をいう」「転倒しやすい」などがあります。
症状はとても個人差が大きく、進行が速い人では数か月で自立歩行ができなくなる方がいる一方で、緩やかな人もいます。認知機能があまり低下しないことも特報です。

レビー小体型認知症のチェック項目

以下の症状に1つでも心当たりがあれば、脳神経内科などの専門医を受診してください

【➀】幻視がある

存在しない動物、虫が見えたり、壁の模様が動いて見える。

【➁】寝言をいう

他の部屋で寝ている家族にも聞こえるような、声のボリュームでの寝言をいう。

【➂】転倒する

半年以内に転ぶ回数が増えていないか、いつごろから一人で外出できなくなったか。

【➃】その他

日によって、一日の中でも症状（調子）の変化がある。様々な動きが遅くなっている

上記の症状の中でも幻視は、本人は本当に見えていると思っていて、症状の1つだと気づかないこともあります。家族など周囲の人が「家の中に人が見えたりしない？」「壁の模様が動いたりしない？」などと、尋ねてあげることが大切です。
また、寝言は、ご家族の方が、過去数か月～数年の間になかったかを思い出してみてください。

レビー小体型認知症の患者さんについて

レビー小体型認知症の患者さんは、70~80代、特にきちんとした細やかな性格の男性に多く見られます。しかし、すべての方が、こうしたケースに当てはまるわけではないことには注意が必要です。

医療機関の選び方

レビー小体型認知症は病態や症状にかなり個人差があります。レビー小体型認知症の疑いがあるのに、うつ病やアルツハイマー病など、他の病気だとされたまま誤った治療を受けている体は少なくありません。
見極めが難しい病気ですので、脳神経内科を標榜している医療機関や、日本神経学会のホームページから、脳神経疾患の専門医を探して受診してください。

レビー小体型認知症だとわかった時の家族のサポートは？

幻視がある場合には「そんなものはないよ」と否定するのではなく「姿は見えても悪さはしないから大丈夫だよ」と安心できるような声掛けをしてあげてください。また、この病気は運動機能の低下が進みます。リハビリ施設やデイサービスなどを利用してできるだけ運動療法を続けるようにしてください。

認知症や関連する症状を改善するには

認知症の患者さまは不規則な生活になったり、ご自身だけで適切な運動を継続的に行うことが難しいため、もの忘れなど認知症が直接の原因となる症状以外にも便秘・関節痛・筋力低下による歩行不安定・浮腫み、手足の震えやしびれ、こわばりなどの症状がでることが多く、実際に弊社の患者さまから、このような症状のお問い合わせを多くいただいております。

また、運動不足によって血流が悪くなり、免疫力の低下（感染症にかかりやすくなる）といったリスクもあるため、これらの対策として、適切な運動を継続的に行うことが必要になってきます。

孫の手倶楽部では国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」による訪問マッサージを行っていますが、マッサージ治療は、皮膚や筋肉、関節に刺激をあたえることで、血液やリンパ液の循環改善(免疫力向上)、内臓機能の改善・関節痛緩和・浮腫改善といった効果が期待できることから認知症の患者さまなど、継続的に運動を行うことが難しい方にも効果的です。