【2023.08】パーキンソン病&似ている病気について

手足が震える、筋肉がこわばる…パーキンソン病やその関連疾患かも。まずは近くの神経内科を受診して

パーキンソン病は、安静にしていても手足が震える、動作がゆっくりになる、転びやすい、筋肉がこわばるなどの症状が現れる病気です。実は、パーキンソン病と似た症状が現れる病気がいくつかあり、”パーキンソン関連疾患(または症候群)”と呼ばれます。どのような病気なのか、神経難病に詳しい、「西東京あゆみクリニック院長」の「茂呂 直紀」先生にお話を伺いました。

パーキンソン病は、手足の震えやこわばりなど、体の動きに障害が起きる

パーキンソン病とは、体の動きをスムーズにしている「ドパミン」という脳内の神経伝達物質が減少し、体の動きに障害が現れる病気です。50~60代で発症することが多く、国内に15万人程度の患者さんがいるとされています。主な症状には以下の4つがあり、”パーキンソン症候群と呼ばれています。”

固縮(筋肉がこわばる)・ 振戦(手足が震える)

無道(動きが鈍くなる)・ 姿勢反社障害(倒れやすくなる)

パーキンソン症候群

パーキンソン病と似た症状があっても、原因や信仰が違う病気がある

パーキンソン症状があっても、違う病気の可能性があります。たとえば、多系統萎縮症や進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などです。これらはドパミンという脳内の神経伝達物質が減少・欠乏していてもパーキンソン病ではなく”パーキンソン関連疾患(パーキンソン症候群)”と呼んでいます。レビー小体型認知症も紛らわしい病気のひとつです。

転びやすかったり、手足の症状があることから整形外科を受診する方が多いようですが、前述のようなパーキンソン症状がみられる場合には、神経内科や脳神経内科を受診してください。

最初の数年はパーキンソン病か、関連疾患か鑑別がつきにくいことも

パーキンソン関連疾患は最初はレボドパというお薬が効くことが多く、症状も似ているため発症後の数年間はどの病気なのか鑑別がつきづらいケースがあります。まずは近くにある神経内科クリニックを受診して、治療をしながら経過を診てもらいましょう。もし、症状が急激に進むような場合には、早めに大きな病院を受診してください。

薬を服用することで、パーキンソン症状が現れることも

抗精神病薬やカルシウム拮抗薬など、ある特定の薬を服用することで、パーキンソン症状を起こすことがあります。薬剤性のパーキンソン症状には、動作時に手足の震えがある、左右差がはっきりしないなどの特長があります。薬の服用を開始した後に、パーキンソン病のような症状が現れた場合には、主治医と相談してお薬の服用を注視することが大切です。

パーキンソン関連疾患の特長

パーキンソン病と関連疾患のケアQ&A

パーキンソン病および関連疾患では、食事やリハビリ、口腔ケアなど、日常の過ごし方がとても大切です。どのようなことに気をつけたらいいのか。引きつづき、神経内科専門医の西東京あゆみクリニック院長・茂呂直紀先生にお話を伺いました。

Q.食事や睡眠時には、どのようなことに気をつけたらいいですか?

A.便秘になりがちなので、食物繊維をたっぷりと接種して

栄養バランスが取れていることが市場案大切です。便秘になりやすいので、食物繊維を多めにとるようにしてください。また、レボドパ(L-ドパ)というお薬を服用する際には、牛乳などの高タンパクな飲み物と一緒に服用しないでください。お薬の吸収を阻害してしまいます。反対にレモン水などのすっぱいものは、お薬の吸収を促進します。お薬の効きが過剰になるリスクもありますので、主治医に相談するようにしてください。

Q.最近、うまく飲み込むことができなくなってきました。なにか対策はありますか?

A.食材は細かくカットしてとろみをつけ、定期的に”飲み込み力”の評価を受けて。

飲み込み(嚥下:えんげ)がしにくいようでしたら。食材を細かく切り、とろみをつけましょう。誤嚥を防ぐためにも、嚥下評価の対応可能な訪問歯科などに来てもらい飲み込み力のチェック(嚥下評価)を受けることが大切です。食べ物にどの程度のとろみをつければいいのかなど、指導を受けましょう。また、口腔ケアも非常に大切です。定期的に専門的なクリーニングや歯磨きを指導してもらいましょう。

Q.生活環境の整え方や過ごし方で、特に気を付けたほうがいいポイントを教えてください。

A.転びやすい場所には手すりを配置し、小さな段差はできるだけなくして

踏ん張りが効かず、転倒のリスクが高いので、手すりなどを必要な箇所に設置します。また、すり足になることで小さな段差につまずきやすくなりますので、できるだけ段差をなくすようにしてください。

Q.やはり、身体は動かしたほうがいいですか?

A.筋力を維持し、体の柔軟性を保つためにも、発症初期から楽しく運動する習慣を身に着けて

パーキンソン病や関連疾患は、全身の筋肉がたまることで体を動かしにくくなったり、筋力が低下したりします。そのため、理学療法士の指導のもとでリハビリをしたり、日常生活の中でも無理なく、身体を動かすことが欠かせません。

パーキンソン 運動

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取材・文/医療ライター渡邉由希

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