【2024.03】「認知症とより良く生きる」について
世の中の人がイメージする認知症と、当事者が感じている認知症には大きな乖離があるかもしれません。
多くの人は当事者意識があり、自らの意思で医療機関を受診されます。
高齢者の3分の1が認知症かMCI(軽度認知障害)と言われる時代で、2025年には、認知症と認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)を含めて、1300万人程度になると推計されています。
これは、65歳以上のおよそ3人に1人が、認知症またはMCIであることを示します。
認知症となってもより良く生きるために、どうしていけばいいのか、のぞみメモリークリニック「院長 木之下 徹 先生」にお話を伺いました。
認知症やMCIの方の多くは”自ら”の存在に不安を感じている
認知症というと、周囲の方から見た印象ばかりが語られ、ご本人たちの声がほとんど伝わってきません。記憶違いを人から指摘されることが増えた、何度も同じことを注意されて傷つく、昨日会ったことをうまく思い出せないなど、自らの認知機能に心配や不安を感じている方たちの存在は置き去りです。
世の中の人がイメージする認知症と、当事者が感じている認知症には大きな隔たりがあるかもしれません。
ひょっとして認知症?自ら受診する人が増えている
こんなエピソードがあります。ある男性が昔からの友人と2人でお寿司を食べに行きました。数日後再開したときに「一緒に食べたラーメンがおいしかったな、また食べに行こうぜ」と男性は友人に話かけます。しかし友人は「何を言っているのだ、食べたのは寿司だよ。どうしちゃったんだ。」と驚いています。この男性は急に怖くなります。「え、食べたのはラーメンだったのか!?」と。
自分ではラーメンを食べに行ったと信じていたのに、食べに行ったのは実はお寿司だった。この男性は急に怖くなったに違いありません。認知症というと家族に連れられて受診するというイメージがあるかもしれませんが、自分で自分のことをおかしいなと感じて、受診する人が増えているのです。
認知症は忘れているのではなく、インプットが苦手になる病気
一般的に”忘れる”と表現される記憶障害には、2つの要素があります。➀覚えているのに引き出し、アウトプットすることが苦手になる。➁物事を覚えるなど学習、インプットすることが苦手になる。です。
認知症では、➁の学習することが苦手になります。記憶の入り口の障害が良く表れるので、起こったことの細部だけでなく、どこで何をした、という出来事そのものを忘れてしまう場合もあります。入力機能そのものに障害が起きているので、ヒントを与えられても思い出せないことが多くなります。
反対に、➀の昔あったことなど、覚えている記憶を引き出す作業は問題なくできるケースが大半です。周囲の人が「また忘れている!」と指摘すると「忘れていない!」と本人が怒り出すのはこのためです。
お薬を服用することで、認知機能低下が飲まない人に比べて遅くなる
認知症と診断された場合、ご本人が希望される場合、抗認知症薬でも治療をスタートします。飲んでもどうせ治らないし、効かないのでは?と思われるかもしれませんが、お薬を服用することの目的は認知機能低下を、飲まない人に比べて遅くすることです。
たとえば党員に通院しておられる80代の男性の方は、服用後、半年ごとに認知機能の検査をしていますが、ご本人は、効き目をあまり自覚できないかもしれませんが、お薬を服用することで認知機能低下を、ある程度遅くすることができています。
お薬を服用しなかった場合は、グラフの下側の線のように、より速いスピードで認知機能が低下していくことが予測されます。
認知症とより良く生きる第一歩は起きている異変の理由を知ること
現在の自分におきている異変を正確に知ることは、認知症とより良く生きるための第一歩となります。医療機関を受診して診断を受けることで「起きていることの理由がわかってほっとした」とおっしゃる方もいます。
最近はおひとりで受診される方も増えていますから”認知症かも”!?と気になる方は、まずは医療機関でご相談ください。
認知症や関連する症状を改善するには
認知症の患者さまは不規則な生活になったり、ご自身だけで適切な運動を継続的に行うことが難しいため、もの忘れなど認知症が直接の原因となる症状以外にも便秘・関節痛・筋力低下による歩行不安定・浮腫み、手足の震えやしびれ、こわばりなどの症状がでることが多く、実際に弊社の患者さまから、このような症状のお問い合わせを多くいただいております。
また、運動不足によって血流が悪くなり、免疫力の低下(感染症にかかりやすくなる)といったリスクもあるため、これらの対策として、適切な運動を継続的に行うことが必要になってきます。
孫の手倶楽部では国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」による訪問マッサージを行っていますが、マッサージ治療は、皮膚や筋肉、関節に刺激をあたえることで、血液やリンパ液の循環改善(免疫力向上)、内臓機能の改善・関節痛緩和・浮腫改善といった効果が期待できることから認知症の患者さまなど、継続的に運動を行うことが難しい方にも効果的です。
訪問マッサージの料金(治療費)
訪問マッサージによる施術は、健康保険を使用して受けることが可能で、保険適用による治療費は、厚生労働省により金額が定められているため業者による違いはごさいません。
※障がい者医療証、マル福もご利用可能です。
健康保険適用の場合
1割負担 | 最大643円 |
---|---|
2割負担 | 最大1,286円 |
3割負担 | 最大1,929円 |
自費施術の場合
基本料金 | 6,430円 |
---|---|
延長料金 | 4,130円 |
実費の場合、まず30分の施術を行います。ご希望に応じて30分単位での延長も承っております。
無料体験マッサージ実施中
孫の手倶楽部では、施術をマニュアルで統一することはあえて行わず、コミュニケーションを大切に、その方のお身体状態に合わせた施術をさせていただいております。全事業所で無料体験マッサージを実施しており、実際の施術を無料で受けていただくことができます。お気軽にお問い合わせください。
pdfデータ版
認知症について
カテゴリから記事を探す
気になるカテゴリのボタンをクリックタップすると、その項目まで飛ぶことができます。